2012 年 66 巻 1 号 p. 230-236
C3A-Gypsum系において、XRD・リートベルト解析および27Al MAS-NMR測定により水和解析を行った。その結果、非晶質量はAFtが消失するまでほぼ一定量で推移し、AFtの消失と同時に急激に増加することが示された。XRDより得られた結果から非晶質物質の組成を決定した。また、NMRスペクトルをAlの化学シフト値で分離することで、非晶質物質中の鉱物量を算出した。その結果、非晶質物質中にアルミナゲルが存在する可能性が示唆された。材齢初期における非晶質物質は硫酸イオンを含むC-A-Hであることが示唆された。材齢後期では、AFt様のゲル状水和物からAFm様のゲル状水和物を経てAFmを生成する可能性が示唆された。