2009 年 63 巻 1 号 p. 233-240
本研究では水結合材比の異なるひび割れ低減コンクリートを対象として、ケミカルプレストレスの発現性状を実験的に把握するとともに、膨張ひずみを考慮した線形クリープ則によるStep-by-step法を用いたケミカルプレストレス予測解析手法の妥当性について検討した。実験では、水結合材比が50~65%のコンクリートを用いて、鉄筋比にて拘束度を変化させた拘束膨張実験を実施し、初期膨張性状とケミカルプレストレス発現に与える各要因の影響を明らかにした。また、実験結果からクリープひずみを評価した結果、線形クリープ則が概ね成立することを確認した。さらに、実験結果と解析結果を比較し、提案解析法の妥当性を検証した。