1980 年 46 巻 403 号 p. 278-285
まず,「動的測定法-B」のよる測定値の漸近的性質(時間 t→∞における不偏性と一致性)を理論的に検討し,変位検出形では不偏性と一致性が保証されるが,速度検出形では両者ともに保証されないことを示した.つぎに,シュミレーションによって測定値の過渡的性質(平均値と標準偏差の過渡的挙動)を調べた.その結果,その漸近的性質の悪さにもかかわらず,「動的測定法-B」の実施形態として速度検出形が優れていることが示された.また,推定時点をはかりの固有周期の約半分に設定することの妥当性が確認された.