日本機械学會論文集
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粉体力学(第2報)
西原 利夫郡 利矩円道 彰河本 壯一郎
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1951 年 17 巻 57 号 p. 121-126

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抄録

粉体の力学の問題に関し第1報には電解銅粉, アルミウム粉, グラファイト粉等に対して円〓形壅壁内の圧縮試験の結果誘導された粉体における主応力-主ひずみ関係式を発表した.しかるにこの場合はひずみが圧縮ひずみ(正ひずみと呼ぶ)のみの場合について実験した結果から誘導したので, ひずみが延伸をふくむ場合(負ひずみ)にこの関係があてはまるかどうかは別に調べねばならない.よってここでは, まず新たに考案せる装置を用いて, この主応力-主ひずみ関係式に実験的検討を加え, 圧縮試験の結果導かれたこの関係式が主ひずみの負の値に対しても成立することを明らかにした.さらに主応力と一般応力の転換式およびこの粉体における主応力-主ひずみ関係式から粉体における応力-ひずみ関係式を導き応力の平衡式に代入して, 粉体の力学における基礎方程式を得た.粉体の応力のありさまを解明することは粉体の力学の目標とする所で, これはこの基礎方程式を解くことにより達せられる.しかるにこの基礎の偏微分方程式は数学的にこれを解いて嚴密なる単一解を得ることは困難で, 筆者はここに階差法応用による一解法を考えた.その一例として, 一つの圧縮試験片を用い, これにその解法を適用してその近似解を得, 応力分布を求むることができたのである.

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