高分子化學
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ブチルゴムのクリープ回復における温度および伸長率依存性
溝口 徹也石鍋 孝夫石川 欣造
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1972 年 29 巻 327 号 p. 459-463

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抄録

ブチルゴムのクリープ回復曲線から実測の温度換算因子aTとひずみ換算因子aλを求めて, 前報で理論的に導いた換算因子と比較した。aTの温度依存性はガラスーゴム転移温度近傍になると, WLF式からのはずれが見られ, その偏差をPoisson比の温度変化に対応させて議論した。各伸長率のクリープ回復の合成曲線は3次元的効果を取り入れると, 対数時間軸に沿って平行移動することにより, ほとんど単一の合成曲線になる。理論的に得られたクリープ回復の合成曲線は短時間側で実験値と一致しているが, 長時間側になるとはずれてくる。このはずれは遅延時間の分布を考慮することにより補正できる。aλについでの理論と実験の一致は良好である。

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