高分子化學
Online ISSN : 1884-8079
Print ISSN : 0023-2556
ISSN-L : 0023-2556
ナイロン繊維にグラフト重合された若干のビニルポリマーの立体規則性
坂口 康義西野 潤玉置 克之本宮 英顕
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 25 巻 283 号 p. 756-760

詳細
抄録

過硫酸塩を開始剤に用いて, 比較的少量 (30~70%) のメタクリル酸メチル (MMA)・アクリル酸メチル (MA) およびスチレン (St) を6-ナイロン繊維にグラフト重合させ, 得られた共重合物をナイロン部分を除くために塩酸を用いて加水分解した。得られたポリメタクリル酸およびそのメチル化合物の赤外吸収スペクトル, ポリメタクリル酸およびポリアクリル酸の電圧滴定曲線と酸無水物環形成性, ポリ-Stのスルホン化物の酢酸-n-ブチルのケン化に対する触媒作用などを検討し, 普通の相当するポリマーの挙動と比較した。これらの結果に基き, グラフトポリ-MMAはアタクチックポリマーに似た立体規則性を持ち, グラフトポリ-MAおよびポリ-Stは普通の相当するポリマー試料と明らかに異なる立体構造を持つと推論した。

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top