1963 年 20 巻 219 号 p. 461-466
Al (C2H3) 4 -TiCl4系触媒によるプロピレンとブタジエンの共重合およびAl (C2H3) 4-VCl4系触媒によるエチレンとプロピレンの共重合を行なった。どちらの系においてもプロピレンはコモノマーよりも共重合しにくいが, プロピレンのみの存在下で調製した触媒を用いると, 両モノマー共存下で調製したものを用いるよりもプロピレン含有率の高いコポリマーが得られた。このことからチグラー型触媒の共重合活性は触媒調製時に存在するオレフィンの種類こよって変化すると考えられ, これは触媒生成にオレフィンが関与して生成する触媒の性質や構造などに影響を与えるためと推定される。また, エチレンープロピレンコポリマーには比較的長いポリメチレン基が存在することから, チグラー型触媒によるオレフィンの共重合ではプロックコポリマーを生成する傾向があると考えられる。