高分子化學
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α-メチルスチレンの低温カチオン重合と生成ポリマーの性質に関する研究
第1報低温重合における溶媒効果
岡村 誠三東村 敏延今西 幸男
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1959 年 16 巻 165 号 p. 69-74

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抄録

カチオン重合性の大きいα-メチルスチレンをBF3・O (C2H5) 2を触媒として, ポリマーおよび触媒に対する非溶媒であるn-ヘキサンと, それらに対する良溶媒であるクロロホルムまたはトルエンとの混合溶媒中で重合を行なった.-78℃ の低温重合では一定の混合溶媒組成の点で重合速度および生成ポリマーの [η] が極大を示し, 溶媒組成を変えるのみで [η] を広範囲に変えうることがわかった。また生成ポリマーの [η] は重合の進行に伴い増加する傾向にある。しかし-20℃ の高温になるとこれらの傾向は認められず, 重合速度もポリマーの例も良溶媒の増加とともに単調に増加するのみである。これは主としてモノマーの拡散速度に関係するものとして解釈される。またクロロホルムの多い系で重合した場合に得るポリマーは, 室温でベンゼンに一部不溶である特異な現象が見出だされた。

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