2010 年 67 巻 9 号 p. 521-529
結晶性-非晶性ブロック共重合体である Polybutadiene-block-poly(ε-caprolactone)(PB-b-PCL)ジブロック共重合体が形成する結晶-非晶交互ラメラ繰り返し構造(CA-LAM)から,溶融状態で形成する Gyroid 構造への構造相転移について小角 X 線散乱(SAXS)測定を用いて調べた.CA-LAM から Gyr 構造へと相転移する際,CA-LAM から直接 Gyr 構造が形成されるのではなく,いったん準安定構造が存在することを発見した.この準安定構造を明白に構造決定することはできなかったが,PCL の組成に依存して二つの構造,もしくは異なる配列性を持つことがわかった.