高分子論文集
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芳香族ポリアミドデンドロンの特異な熱的挙動
石田 雄一寺境 光俊柿本 雅明
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2000 年 57 巻 12 号 p. 825-829

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抄録

中心芳香環の5-位にブロモ基を有する第2世代の芳香族ポリアミドデンドロン (2) の熱的性質を調べたところ, 示差走査熱量測定 (DSC) 曲線では208℃と254℃にそれぞれ吸熱と発熱ピークが見られ, また偏光顕微鏡では昇温過程においてそれぞれのピークに対応する疑似溶融状態と結晶化が観察された. エタノールで再結晶後のデンドロン2ではDSC曲線で結晶化に対応する発熱ピークのみが見られた. さらに, 中心置換基の異なるデンドロンをいくつか合成し, その熱的性質を調べた. 4-位にメチル基を有するデンドロン5はDSC曲線で2つの吸熱ピークと1つの発熱ピークを有し, 偏光顕微鏡観察では疑似溶融状態において初め複屈折性を示したのち等方的となり, 最終的には結晶化した. 5-位にメチルエステル基を有するデンドロン6のDSC曲線には275℃と327℃に吸熱ピークが存在したが, デンドロン2のような溶融状態や結晶化は観察されなかった.

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