射出成形したポリプロピレン試験片を用いて疲労試験と引張試験を行い, 機械的特性と疲労過程での粘弾性特性の変化を測定した. また試験前後での破壊の状態および高次構造を光学顕微鏡・赤外分光分析により評価した. 疲労により球晶構造を持つコア部分でき裂の発生と成長が生じ破壊した. 応力振幅が大きくなると破壊に要する時間が短くなった. 応力振幅が大きい場合にはき裂の成長と発熱による軟化が局部的に進む. 疲労過程での発熱で試料の結晶化度が高くなり, 疲労時間が長いとその度合いは高くなった. 引張試験による破壊はき裂がコア部で大きく成長し破壊した.