高分子論文集
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ニッケルアセチルアセトナート-メチルアルモキサン触媒によるスチレンの重合
圓藤 紀代司真崎 孝二
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1994 年 51 巻 10 号 p. 652-656

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抄録

ニッケルァセチルアセトナート [Ni (acac) 2] ーメチルァルモキサン (MAO) 触媒を用いてスチレン (St) の重合を検討した. Ni (acac) 2-MAO触媒は高い活性を示し, ポリマーのGPC溶出曲線と分子量分布からしてStの重合は単一の活性種で進行していることが示唆された. MAO/Niモル比の影響が認められ, その比が50付近まで重合活性は著しく増加したが, さらなるMAOの添加によっても著しい重合速度の増大は認められなかった. 速度論研究から重合の活性化エネルギーは23.7kJ/molと求まった. 重合速度 (Rp) におよぼすモノマー濃度およびNi (acac) 2-MAO触媒 (MAO/Niモル比=100) 濃度の検討から重合の速度式Rp=k [St] 2.0 [Ni (acac) 2-MAO] 0.75と求まった. 13C NMRスペクトルの解析より生成ポリマーはアイソタクトに富むことが明らかとなった. ESRの測定から重合活性種はNi (I) を含むと推定した.

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