1993 年 50 巻 5 号 p. 459-461
細胞間の特異的認識・会合過程における非特異的相互作用の役割を解明するため, 高分子微粒子界面間の凝集過程を調査した. 従来用いられてきた分光法などによる間接的な方法ではなく, 光学顕微鏡による凝集過程の直接観察および画像解析法を採用した. この方法によれば, 凝集速度の測定のみならず, 界面近傍における高分子微粒子の運動を解析することにより, 相互作用の影響範囲などを評価することが可能である. 本報告では, 粒子界面間の静電的相互作用による凝集過程を解析し, 粒子間凝集の解析結果と比較した. 異符号に帯電した粒子界面間では, 同符号粒子界面間ではみられなかった凝集の加速効果や特徴的な粒子運動が観測された.