1988 年 45 巻 7 号 p. 535-542
ポリエチレンアジペート-4,4′ ジフェニルメタンジイソシアナートー各種ジオール類からのセグメント化ポリウレタン弾性糸の100%弾性率はハード成分の量とともに直線的に増加するが, 伸張回復率は直鎖脂肪族ジォールではハード成分/ ソフト成分のモル比 (R′) 1.5付近で極大値を示した. ハード成分の凝集状態がゴム弾性に寄与していることを, 1) ハード成分の側鎖にメチル基を導入すると弾性率, 伸張回復率とも大幅に低下する, 2) 130℃以上の雰囲気で弾性率及び赤外特性吸収のアミド吸収が昇温とともに大きく変化することより明らかにした. このハード成分の凝集力を強化するために芳香核をもつジオールとして1, 4-ビス (β-ヒドロキシエトキシ) ベンゼンを鎖伸長剤に使用するとR′ が1.0でも優れた弾性及び耐熱性をもつ弾性糸が得られた.