高分子論文集
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アシルオキシイミノ基を有するポリマーの固相光崩壊
粘度法とGPC法の比較
角岡 正弘岸村 眞治田中 誠
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1988 年 45 巻 4 号 p. 303-307

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抄録

メタクリロイルアセトフェノンオキシム (MAAPO) とスチレン (St) あるいはメタクリル酸メチル (MMA) 共重合体の固相における光崩壊反応について, 粘度法及びGPC法により検討した. 数平均分子量 (Mn) 及び重量平均分子量 (Mw) はGPCより求めた. 粘度平均分子量, Mr (f) 及びMv (u) は, それぞれ分別したポリマーあるいは未分別ポリマーを用いて求められたホモポリマーの粘度式に固有粘度を代入して求めた. 主鎖切断数SnSn = (1/Mn1-1/Mn0) (1) (0, tは照射時間) より求めた. MAAPO (1.9) -Stの光崩壊において, 式 (1) のMnの代わりにMv (f) を用いて求めたSv (f) はSnSn=2Sv (f) (2) なる関係がありMAAPOが16.5mol%でも式 (2) は成立したが, MAAPO-MMAでは成立しなかった. St共重合体の光崩壊反応の初期では, 光分解したアシルオキシイミノ基の4%が主鎖切断に関与していることがわかった.

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© 社団法人 高分子学会
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