1984 年 41 巻 7 号 p. 407-411
ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) のエマルションから作られる未焼成テープを延伸するとフィブリルを形成する. 我々は延伸したテープを固定長熱処理して, フィブリル部に生じる構造の変化を電子顕微鏡によって観察した. 固定長熱処理するとフィブリル部に周期的な凹みが現れる. 凹部の状態はフィブリルに加わる張力江よって変化し, 張力が大きくなると凹部の縁がかどばり, 樹脂の破断面に観察される帯に似てくる. この結果, 張力下で熟処理するとフィブリル部に折り畳み鎖が生成すると考えた.