高分子論文集
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メタクリル酸ーセメント複合体における高線量率電子線固相重合
藤村 保夫酒井 五十治中前 勝彦松本 恒隆
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1983 年 40 巻 3 号 p. 127-134

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抄録

メタクリル酸あるいはアクリル酸モノマーのメタノール溶液に未水和セメント粉未を添加すると, 系全体が速やかにゲル化し, モノマー-セメント複合体が生成する. このモノマー-セメント複合体での高線量率電子線照射固相重合を試み, 以下の結果を得た. アクリル酸ーセメント複合体では, 電子線照射同時重合によって容易に重合が起こった. 一方, メタクリル酸ーセメント複合体では, 照射温度, 線量率, 線量などの条件を変化させても同時重合は困難であった. しかし, あらかじめ電子線を照射したメタクリル酸-セメント複合体では, 100℃で30日間放置することによって約50%の重合率が得られた. また, メタクリル酸-セメント複合体においては, 単結晶と異なり, 結晶構造の乱れあるいは結晶化度の低さなどにより, 重合性が低いことを明らかにした.

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