高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
混合気体・蒸気の透過測定装置の試作
内倉 昌樹小谷 壽倉田 道夫
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 39 巻 3 号 p. 149-156

詳細
抄録

高分子膜への気体・蒸気混合物の透過測定装置を試作し, その構成, 機能, および操作の概要を述べた. この装置はキャリヤーガスとしてヘリウムを用い, 透過気体・蒸気の検出・定量をガスクロマトグラフで行う. 温度が-30~150℃, 圧力が6atmまでの領域で, 個々の成分気体あるいは蒸気の透過挙動の測定が可能である. 気体・蒸気混合物の圧力が1atm以下の場合には循環法により, また1atm以上の場合には流動法によって, 試料気体を高分子膜の上流側に供給した. この装置を用いて, 混合物中の酸素, 窒素の透過係数を約4%の誤差範囲内で, またこれら以外の気体の透過係数を約2%の誤差範囲内で測定することができた. 更にこの装置を用いて, 交互層状ドメイン構造を持つスチレンーブタジエンブロック共重合体膜へのアルゴン, クリプトン, 窒素の透過挙動を調べ, 高真空型の圧力法による透過測定装置により得られた結果と比較した. 両装置による測定結果の一致は良好であった.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top