種々の化学構造の親水性ポリアミドを合成し, その構造と電気的性質に及ぼす水の影響について検討した. 非晶性ポリアミドでは吸水性は大きいが, その電気的性質に及ぼす水の影響は小さい. これに対して結晶性のポリアミドでは, 吸水により, 結晶化度は減少し, その電気伝導度や誘電率 (1Hz付近) は著しく増大した. このことから, ポリアミドの導電性には吸着された水の状態とMorphologyとの相互関係が重要な因子となることが明らかとなった. 非晶性ポリアミドでは4%吸水すると試料の変形が著しくなり, 電気的性質の測定が不可能であったが, 結晶性ポリアミドでは7~8%の吸水により抵抗率が107~108Ωcmとなった. このことから, 適度な結晶性を有する親水性ポリアミドにおいては吸水により帯電防止能を持たせる可能性があることがわかった.