高分子論文集
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ビニルイミダゾール含有高分子触媒の活性度と動力学パラメーター
羽山 茂武石 誠新野 昭伍岡村 俊明
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1980 年 37 巻 7 号 p. 477-481

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抄録

ビニルイミダゾール (VIm) 含有高分子を触媒とした活性基質 (エステルとアゾリド) のエタノール水溶液中における飽和動力学図形から動力学パラメーター (k1/KL, M-1min-1) が計算された. 中性基質に対し, その値は二次触媒反応速度定数 (kcat) と同様, エタノール濃度の低下とともに増大した (疎水性相互作用). 更にそれらの値の増加割合は高分子主鎖の剛直性, または柔軟性の影響を受けた. 一方, カチオン性基質に対しては, VImとアクリル酸 (AA) の共重合体は静電相互作用により大きいk1/KLの値を示した. その場合にも疎水性効果は無視できなかった. この共重合体の組成を変えると, kcatの極大値を認める約50mol%VIm含有率においてk1/KLの極大値が現れた. その図形はVImと隣接AA成分のシークェンス分布の計算曲線に似ていた. したがってk1/KLの増大は両成分の協同的触媒作用に基づくと考えられる.

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© 社団法人 高分子学会
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