ナイロン66-6I共重合体 (Iはイソフタル酸) を溶融重縮合 (MP) 法およびCCl4とCHCl3を溶媒に用いた界面重縮合 (IP) 法によって合成した. 得られた共重合体は, 溶融-放冷試料で融解温度 (Tm) を, 溶融-急冷試料でガラス転移温度 (Tg) と冷結晶化温度 (Tcc) を, 示差熱分析法によって測定した. IP法で合成した共重合体はTgが顕著に高く, プロック連鎖を形成していると推定されたが, TmはMP法の共重合体よりも低く, TccとTcc-Tgが高く, 結晶化しにくいことが推定された. 一方, 比較のために合成したナイロン610-6I共重合体では, Tm, Tg, TccおよびTcc-TgがMP法とIP法であまり相違しなかった. これらの結果から, 脂肪族鎖の含量が小さく, 水棄結合濃度が比較的高いナイロン66-6I共重合体は, IP法でプロック連鎖を形成すると, 分子鎖の剛直化が強まることが示唆された.