水中乾燥法により調製したポリスチレンマイクロカブセルには走査電子顕微鏡により小孔の存在が確認された. 小孔は一次乳化液の撹拌速度が増すほど, カプセル粒径が大きいものに顕著にみられた. 含酵素カブセルからのα-アミラーゼの溶出が一次乳化液の撹拌速度とともに増大することから, 溶出に影響を及ぼす小孔の成因について検討を行った. 光学順微鏡により観測される小泡は, 一次乳化液の撹拌速度とともに多くなることから, 乳化液中の微少液滴の一部がカプセル化の際に未合一のまま膜内に封入されたと考えられる. 小泡の分布状態は小孔のそれに大きさおよび数量において類似した傾向を示すことから, 小孔は微少液滴の周りの薄膜部分がカプセル化の際に受けた調製条件のわずかな変化で破れることにより生成したと解釈される.