ポリスチレン-ポリエチレンオキシドブロック共重合体およびセグメント化ポリエーテルウレタンを合成し, その表面の性質を赤外全反射吸収スペクトルの測定, 接触角の測定, 偏光顕微鏡観察により検討した. 接触角の測定より表面張力を3成分に分けて評価した. この結果, ブロック共重合体とセグメント化ポリウレタンの間に差のあることが分かり, 特に水素結合性成分に差が認められた. ヤギの血液を用いた全血凝固時間の測定の結果, セグメント化ポリウレタンがブロック共重合体より血液適合性であり, PEOを含むセグメント化ポリウレタンがPPOを含むものより血液適合性の良いことが示唆された. 表面の性質と凝血時間の関係を検討した結果, 血液適合性には表面張力の成分, 特に水素結合性成分の値が重要であることが分かった. また同時に表面の構造も影響をもつことが明らかとなった.