溶融状態におけるbulk viscosity (η) とlocal viscosity (ξ) の測定を分子量分布の狭いポリスチレンを用いて行った. 分子量範囲は600~390000までの5種であり, 測定温度範囲は50~230℃であった. ηの測定は毛管粘度計およびコーンプレート型粘度計を用い, ξはけい光法によって求めた. その結果以下のことが明らかとなった. (1) ηの温度依存性はこれまでに報告されているようにWLFの関係に従う. 一方, ξの温度依存性は高温部では上に凹の曲線を示すが, 低温部では温度に対しほとんど変化しない. (2) ηとξの分子量依存性の相違は分子量が104程度以上から明らかとなる. すなわちηは鎖長に起因するからみ合いの効果が直接反映するのに対し, ξはけい光分子の回転運動を束縛する鎖長がからみ合いを起こす程度に達するとそれ以上鎖長が長くなってもξに対し大きな変化を与えない.