液状絹 (フィブロイン) の分子形態を明らかにするため, 熟蚕 (家蚕) の液状絹を加圧変形 (加圧速度0.5~500mm/min) し, 室温で乾燥したところ, 0.5mm/minの場合, フィブロインはα型-非晶-β型へと加圧比を増大するに従って変化した. このうちβ型は液状絹の変形によって得られた. α型および非晶については分子形態の変化を相対湿度を変えて検討した結果, 液状絹におけるフィブロインの分子形態はランダムコイルであり, フィブロインの水分率20~70%の間はランダムコイル→α型転移領域であり, 乾燥過程でランダムコイル→α型転移が起こるか否かはフィブロインが水分率20~70%の間を通過する時間によって決まることなどが分かった.