高分子論文集
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強酸性領域におけるメラミンのホルムアルデヒドによるヒドロキシメチル化
佐藤 謙二阿部 芳首
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1975 年 32 巻 12 号 p. 687-693

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抄録

メラミン (MH) のホルムアルデヒド (F) による初期ヒドロキシメチル化について, 極小速度のpH約2.5からpH0.6に至る領域において検討を加えた. 主な結果は次のとおりである. (1) pHにかかわらず, 2次速度定数をkとすると, 初速度R0=k [MH] [F] で与えられる. (2) MHを二酸塩基と考えた場合の反応機構に基づく速度式をたて, この速度式を示す理論曲線と, kと溶液の酸性度間の対応する実測曲線を比較した. この結果, pH約0.6~1.7 ([塩酸] 0/ [MH] 0≒1.3~5.0) の領域の主反応はMHの共役酸MH2+とメチロールカチオンの反応であり, MH2++H3O+↔MH3+++H2Oの反応により生成するMH3++とメチロールカチオンの反応は非常に少ないことが分かった. さらに極小速度付近のpH約2.0~2.9 ([塩酸] 0/ [MH] 0≒1.02~1.2) の領域の主反応はMH2+と分子型F (HCHO) の反応と考えられる.

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