伊予柑の香気特性を化学的に明らかにする目的で,伊予柑果皮より凍結蒸留法を用い,精油を調製し,香気特性を示す含酸素部について分析,同定,定量を行った.同定された主な成分,すなわち,カルボニル化合物8種および非カルボニル化合物14種につき,精油中の含量を求めた.伊予柑果皮油の組成の特徴として, linaloolが非常に多いこと,またdecana1, perillaldehyde, geranyl acetateおよびneryl acetateが比較的多いことがあげられた.しかし,伊予柑特有香をもつkey substanceの構造は微量のため解明できなかった.