日本農芸化学会誌
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麹酸を主としたγ-ピロン化合物の研究(第13報)
Nickel peroxideおよびactive MnO2による麹酸の酸化
櫟本 五男鷲野 乾藤井 吉太郎辰巳 忠次
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1967 年 41 巻 7 号 p. 317-323

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抄録

(1)麹酸ベンジルエーテルはnickel peroxideおよびactive MnO2の酸化により有機触媒中ではコメンアルデヒド誘導体を,水溶液ではコメン酸ベンジルエーテルを酸化生成物として与えた.
(2) i)水溶液中の酸化においてpH 12,反応温度40°,反応時間nickel peroxideは0.5~1.0時間, MnO2は2.0時間の条件で約90%の高収率でコメン酸ベンジルエーテルが単離された.
ii)酸化剤の使用量はnickel peroxideは被酸化物に対して重量比で約5倍量, MnO2は約10倍量で充分であった. nickel peroxideは再活性化が容易で連続的に使用できた.
(3)コメン酸ベンジルエーテルをラネーニッケル触媒下高圧還元することにより,容易にコメン酸を得ることができた.

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