1964 年 38 巻 8 号 p. 367-371
卵白から硫安分別, DEAE-C処理によってオボムコイドを純化し, CM-Cカラムクロマトグラフィーによりオボムコイドは4成分蛋白(I~IV)から組成されてい.ることを明らかにした.
オボムコイド4成分蛋白のうち, I, IIにのみ抗トリプシン活性が認められ,ともにトリプシンと等モル作用して阻害することがわかり,またその活性はpH 8.0において100°, 20分; 90°, 30分; 80°, 170分の加熱処理で完全に失活した.
IIIおよびIV成分蛋白は,ブラボムコイドK1, K2のアポ蛋白であり,いずれもFRと等モルで結合し,その結合割合はpH 7.0付近が最も高く,また結合能は80°以上の加熱では55分以内で, 70°加熱では2時間でなくなった.