日本農芸化学会誌
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ニトロ化合物の化学構造と抗菌,殺虫力との関係に関する研究(第9報)
ニトロアルケンのキノリン誘導体の合成と抗菌力について
惟村 光宣名川 方敏
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1962 年 36 巻 8 号 p. 629-634

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抄録

1-Quinolyl-2-nitroalkene類の合成はメチルキノリンをキシレン,エタノールなどの溶媒中かまたは直接にSeO2と加熱酸化してキノリンアルデヒドを製し,これとニトロアルカンをアミルアミンの存在下またはアルデヒドをn-ブチルアミンで処理してシッフ塩基とし,氷酢酸の存在下にニトロアルカンと縮合して合成した.
ここに得た1-quinolyl-2-nitroalkene誘導体の植物病原菌に対する効力はニトロエテン基を持つ化合物よりもニトロプロペン基を持つ化合物の方が効果的で,いずれの場合もキノリン核の6位または7位にニトロアルケン基を有する化合物が最も有効であり,キノリン核内にメトキシル基,ニトロ基,N-オキシドを有し, 4位にニトロアルケン基を持つ化合物の効力は低く,全般的に細菌類よりも糸状菌類に対して抗菌力が強かった.

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