日本農芸化学会誌
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ガスクロマトグラフィーによる本邦産牛乳脂肪の脂肪酸組成に関する研究(第1報)
乳脂肪より脂肪酸メチルエステルの調製
中西 武雄中江 利孝
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1962 年 36 巻 4 号 p. 361-364

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抄録

ガスクロマトグラフィーによってバター脂肪の脂肪酸組成を測定するには,融点と安定性とから考えて,脂肪酸を予めメチルエステルの形にすることが望ましい.メチルエステルにするにはバター脂肪を中性脂肪と遊離脂肪酸に分け,それぞれ塩酸-メタノールを用いてエステル基交換処理とアルキル置換エステル処理を行なう.エステル化の条件はバター脂肪において,試料の10倍量の3%塩酸-メタノールの5時間処理,遊離脂肪酸では,同じ条件で30分間処理が最適であった.エステル化の完了は脂肪の場合,グリセリン遊離量の経時的増加の停止によって,遊離脂肪酸の場合は塩酸除去後のエーテル抽出液の酸性の消失によって判定することができる.

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