日本農芸化学会誌
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紫外線照射によるβ-Lactoglobulinの変性(その1)
坂村 貞雄小幡 弥太郎
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1958 年 32 巻 9 号 p. 667-670

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抄録

(1) 全牛乳からAschaffenburgの方法に準じ結晶状に単離したβ-lactoglobulinは等電点よりアルカリ性の燐酢緩衝液pH 6.7では電気泳動的に単一界面を表わすが,酢酸緩衝液pH 4.7では2成分に分れ, Aschaffenburgが混合牛乳から得たβ1+β2-lactoglobulinに該当するものと見られる.
(2) β-Lactoglobulinは紫外線照射により等電点近くでは白濁から沈澱を形成し,アルカリ側では黄褐変する.
(3) β-Lactoglobulinは電気泳動的には単いの界面を示すpH 6.7溶液に紫外線を照射すると少くとも2成分に分れ,酸性側では幾つかの界面を表わし,inhomogeneousになることが認められた.
(4) 電気泳動的にinhomogeneusになる原因の1つとして蛋白分子中からアンモニヤの発生が関与しているものと推論した.沈降分析の結果Stには余り変化なく,沈降図観察から変性蛋白がpolydisperseしているものと考えられる.

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