日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
生体内の鉄及び含鉄成分に関する研究
(第16報) 卵白conalbuminについて(其の2)
金森 正雄前田 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1958 年 32 巻 5 号 p. 337-340

詳細
抄録

(1) Aldertonの方法によって卵白からpH調節と硫安塩析によって電気泳動的に単一なconalbuminを分離し,その単離過程の各fractionについて電気泳動分析を行った.
(2) Conalbuminは酸変性によって電気泳動的に2成分に分れることを認めた.
(3) Conalbuminは卵白中の黄色色素とは全く無関係でこれと結合しないことを認めた.
(4) 卵白の黄色色素蛋白は卵白をpH 5.6となして硫安2.6mol飽和で沈澱しないfraction中に含まれ,その蛋白部分はリボフラビン及びflavin mononucleotideと結合しうることを認めた.
(5) 卵白の黄色色素蛋白の黄色色素はリボフラビンであり, pH 4.O以下の酸性側で容易に蛋白からはなれ,中性からアルカリ側で蛋白と堅く結合することがわかった.
(6) 卵白の黄色色素蛋白の蛋白部分はovomucoidであろうと推定した.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top