日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
酵化細菌に関する研究
(第10報) α-ケトグルタール酸醗酵(その2)諸種添加剤の影響について
杉崎 善治郎相田 浩朝井 勇宣
著者情報
ジャーナル フリー

1955 年 29 巻 4 号 p. 296-299

詳細
抄録

振蘯培養於いてSerratia marcescens No. 18によるglucoseよりα-ketoglutaric acidの蓄積に及ぼす諸種添加剤の影響に就いて実験した.
1) Co++, Cd++はFe++, Fe+++と同様にα-ketoglutaric acidの蓄積を増進する.その最適濃度はほぼ0.02μMである. Coは恐らくFeと同様な活性化作用を酵素系に与えるものと思われる.
2) NaCl, KClは0.1Mの濃度に於いてα-ketoglutaric acidの集積を増進する.この作用は量的関係より見て前記Fe, Co. Cdとは別個の作用と考えられる.
3) Na arseniteは1.OmMでα-ketoglutaric acidの蓄積を促進し, NaClとの混合添加に於いそ相乗的効果を表わす
4) Thiamine, pyridoxine, nicotinic acid, nicotinic amideはα-ketoglutaric acidの集積促進し, pantathenic acidはその集積を抑え逆にpyruvic acidの集積を来たす.
5) Citric-. malic-, fumaric acidの添加は著しい効果を与えない.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top