家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
牛の子宮分泌液に関する研究
IX.卵巣摘出牛における子宮内フラクトースおよびソルビトールの消長に及ぼす卵巣ホルモンの影響
菅徹 行正木 淳二
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1973 年 19 巻 3 号 p. 104-111

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抄録

卵巣摘出牛7頭に,エストラジオールおよびプロゲステロンを単独あるいは混合注射して,牛子宮におけるフラクトースとソルビトールの産生に及ぼす卵巣ホルモソの影響を調べ,次の結果を得た。
1.卵巣摘出30日後には子宮内フラクトースおよびソルビトールは消失していた。
2.エストラジオール2mgを8時間間隔で5回筋肉内注射した場合,48時間以内に発情が誘起されたが,フラクトースおよびソルビトールの生産は認められなかっな。
3.プロゲステロン5mgを8時間間隔で5回子宮実質内注射した場合,子宮内でフラクトースおよびソルビトールが産生されたが,エストラジオール2μgとプロゲステロン5mgを混合注射した場合には,両成分の産生がさらに促進され,両ホルモンによる協同作用が明らかに認められた。

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© 日本繁殖生物学会
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