家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
PMSによる家兎の過排卵誘起におけるEstrogen併用の効果(その2)
石島 芳郎伊藤 雅夫田 暢淇
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1969 年 15 巻 3 号 p. 109-111

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抄録

PMSによる家兎の過排卵誘起にestrogen注射を併用することが有効かどうか再検討すると共に,estrogenを併用した場合としない場合の卵巣所見の比較から併用効果の機序について考察を試みた。
40IUのPMSを5日間,計200IU皮下注射し,24時間または48時間経過して交配した過排卵対照区の平均排卵数は21.3~24.1コ,過排卵陽性率50~63.6%に対し,PMS注射最終日に0.1mgのestradiol注射を併用した区の平均排卵数は32.5~37.8コ,過排卵陽性率87.5~100%で,estrogenを併用することにより排卵数が高められる傾向にあった。未破裂卵胞数は,排卵数の多いestrogen併用区は少なく,対照区は多くなっていた。
また,過排卵対照区と併用区について,卵胞を1~1.4mm,1.5~2.4mm,2.5mm以上の3種に分類して経時的に発育程度を比較したが,3種の卵胞数の推移は両区ともまちまちで,わずかに総卵胞数においてestrogen併用区が優っていたにすぎない。
これらの結果から,estrogen併用注射は,外面的には卵胞発育に対し直接影響を与えていないにもかかわらず,未破裂卵胞を減じ排卵数を増加させる効果がみうけられた。

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