日本薬理学雑誌
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PropentofyllineとCaffeineの中枢作用に関する薬理学的比較
桜井 真夫小峰 勇出村 信隆坂口 孝後藤 正義
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1988 年 91 巻 4 号 p. 181-186

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抄録

メチルキサンチン誘導体であるcafgeineとpropentofyllineの中枢作用について比較検討した.マウスを用いた懸垂試験におけるdiazepamによる筋弛緩作用に対してcaffeineは桔抗したが,propentofyllineは拮抗しなかった.マウスを用いたpentylenetetrazolに対するdiazepamの抗痙攣効果に,caffeineは拮抗したが,propentofyllineは拮抗しなかった.ネコ脊髄反射においてcaffeineは後根反射電位を抑制し,propentofyllineは影響しなかった.従って,caffeineはbenzodiazepine受容体に作用するが,propentofyllineは作用しないと考えられる.ネコ脊髄前根反射電位において,propentofylineは電位を増大させたが,caffeineは影響しなかった.メチルキサンチン誘導体であるpropentofyllineの中枢作用は,caffeineで認められるような抗diazepam作用を示さなかった.また,caffeineと異なり,propentofyllineはGABA系に作用しないと考えられる.

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