化学工学論文集
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中温メタン発酵における分解反応速度について
油川 博小林 一正菊地 成雪遠坂 仁志
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1978 年 4 巻 3 号 p. 300-304

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抄録

畜産廃棄物を処理するのに消化法や活性汚泥法が用いられている。これらの方法に関するこれまでの研究は発酵の最適条件に関するものが多く, 発酵槽設計の基礎となる実用的な生物反応速度に関する研究は少ない.
本研究は家畜糞尿の中温メタン発酵における分解反応速度に関するもので, 発酵温度範囲は25~38℃である.また分解反応速度Vに及ぼす種消化汚泥初濃度 [E*] および生汚泥初濃度 [S*] の影響についても検討した.
実験の結果, 分解反応速度式は酵素反応モデルに基づくMichaelis-Mentcnの式と同一形式で表されることが明らかになるとともに, V, [E*], [S*] の関係は次のような実験式で表される.
V=K [E*]0.5 [S*]0.5
ここにKは反応速度定数で発酵温度の関数であり, それはArrhenius式と同様に表される.これよりみかけ活性化エネルギーは, 25~38℃の範囲で12.2kcal/molと求められた.

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