微泡を含む液柱の液側物質移動機構について, 解析的, 実験的に検討を行った.
乱流拡散に関するLevichおよびDaviesらのモデルに基づいて, 局所等方性乱流中での液側物質移動速度の新しいモデルが提案され, 微泡を含む液柱の液側物質移動係数kLの理論式が, 造泡器内での単位液容積あたりのエネルギー損失量εbの関数として得られた.
また, 液柱長さの影響を受ける乱流液中の渦速度の減衰に, 前報で報告された微泡合体モデルを適用し, kLに及ぼす液柱長さの影響が解析的に検討された.
さらに, 純CO2-水系の吸収実験を行い, εbおよび液柱長さを種々変化させて, 微泡を含む液柱のkLが実測された.その結果, これらの実測値が解析結果と良好な一致を示すことが認められた.