本研究では粒子間付着力および粒子凝集構造に着目し，液体助剤がサブミクロン粉体の乾式分散に及ぼす影響について検討した．ジエチレングリコールモノメチルエーテル（DEG）を混合したニッケル粉を分散すると，助剤を添加しない場合に比べ，分散度は約3 倍向上した．また粉体層の凝集構造を観察した結果，助剤添加によって凝集構造は変化し，分散過程も異なることがわかった．さらに，助剤を混合したのち乾燥して助剤を蒸発させたニッケル粉を用いても助剤を添加した粉体と同様の分散度が得られたことより，本実験で用いたニッケル粉の分散性は粒子配位数により決定されていると考えられる．
