化学工学論文集
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分離工学
反応速度測定によるCO2回収時のアルカノールアミン化学吸収剤の評価について
三村 富雄熊沢 英博八木 靖幸高品 徹吉山 隆士本田 昭洋
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2006 年 32 巻 3 号 p. 236-241

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抄録

主要なCO2化学吸収液6種の反応速度特性試験を温度298 Kで行った.実験は平面撹拌槽で実施され,気液の水平界面が完全に平滑であることを目視確認した.
試験した吸収液は2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP),KS-1液,モノエタノールアミン(MEA),メチルアミノエタノール(MAE),メチルジエタノールアミン(MDEA)およびジエタノールアミン(DEA)である.MAEとKS-1吸収液は反応速度特性が良く,これらのCO2吸収速度は従来の代表的吸収液であるMEAと比べて大きかった.
また,反応速度定数を簡易に求める方法についても検討した.CO2とアミンの反応速度定数を求めるには,反応速度特性試験に加えて,物理吸収試験が必要である.この比較的困難な実験を行うことなく,計算で反応速度定数を求めることができた.このような計算は,分子量が60–120で,アミン濃度が1.4 kmol·m−3以下の希薄溶液について可能となる.
MAEの反応速度定数は298 Kで7.99×103 m3·kmol·s−1, KS-1の反応速度定数は4.71×103 m3·kmol·s−1と算出され,MEAの反応速度定数(3.63×103 m3·kmol·s−1)より大きい結果が得られた.

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© 2006 公益社団法人 化学工学会
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