2003 年 29 巻 5 号 p. 646-652
粒子径分布を考慮した強磁性コロイド分散系における凝集構造を,cluster-movingモンテカルロ法により検討し,単分散系の場合と比較した.得られた凝集構造は動径分布関数を用いて解析し,クラスタの数密度分布,角度分布関数を得た.結果を要約すると次のとおりである.単分散系の場合は粒子間相互作用の増加とともにネックレス状のクラスタが長くなる.多分散系では粒子径分布の幅が大きくなるとともに鎖状,リング状,塊状のクラスタが形成される.さらに粒子間相互作用が増加すると,網目構造を有する大きなクラスタを形成する.これは主に大きな粒子が強い磁気的相互作用を持つことに起因している.