化学工学論文集
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アクリル粘着剤-溶媒系の相互拡散係数の測定と相関
小渕 茂寿熊田 誠佐野 雄二山本 修一荒井 康彦
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1998 年 24 巻 1 号 p. 123-130

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抄録

アセトン, メチルエチルケトン, 酢酸n-プロピルの3種類の溶媒を用いて, アクリル粘着剤フィルムへの収脱着実験を行い, 得られた脱着曲線の解析から相互拡散係数を求めた.測定はアセトン, メチルエチルケトン系では313.15Kおよび323.15K, 酢酸n-プロピル系では323.15Kと333.15Kで行った.測定範囲内では, 相互拡散係数はすべての系に対し, 濃度の増加につれ単調に増加した.本実験で得られたデータならびに既報のデータを用いて, 5種類の溶媒 (アセトン, メチルエチルケトン, 酢酸メチル, 酢酸エチル, 酢酸n-プロピル) の相互拡散係数をVrentas-Dudaの自由体積理論を修正した岩井らの相関式により計算したところ良好な結果が得られた.さらに相関式に含まれる6つのパラメータは, 溶媒の分子量, 沸点での凝集エネルギーおよび沸点分子容で相関することができた.

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