1994 年 20 巻 6 号 p. 872-879
様々な灰分含有率を有する石炭粉を造粒, 乾留後燃焼させ, 石炭中の微量元素を含む27元素の灰中への残留率をICP発光を用いて測定した.一部の元素については高温での揮散がみられた.生成した灰を粉砕あるいは粉化し, 純水あるいは酸性水への種々の元素の溶出性を測定した.検出されたほとんどの元素について, 石炭粒燃焼時の粒子内最高温度とともに溶出性が抑制される傾向がみられ, また一部の元素についてはある温度以上での急激な溶出性の減少がみられた.溶出性は灰のガラス化により抑制されるものと考えられた.