1994 年 20 巻 6 号 p. 766-773
酸素吹き気流層石炭ガス化炉の特性を, 最大3MPa, 50t/dのパイロットプラントにより検討した.酸素量/石炭量の比 (酸素比) に対し冷ガス効率は最大値を示した.適正な酸素比とチャー循環を行うことにより, 炭素ガス化率98%, 冷ガス効率78%の目標が達成できた.チャー循環の安定化にはチャーのガス化効率が影響し, チャーに対する適度な酸素の供給が重要である.またガス化部上段と下段の酸素量を制御することで, 炉内に温度差をつけることが可能で, この結果, 水素, 一酸化炭素の良質のガスが多く得られると同時に, 灰の溶融とスラグ流下の安定が図れた.一方, 飛散灰の付着, 凝集の問題に遭遇したが, 上段酸素量を少なくする等してここの温度を下げ飛散灰を固化する改善を実施した.以上の結果, 1149時間の安定連続運転を達成した.