化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
パーベーパレーション膜分離法における透過挙動への操作因子の影響
浅井 英明長浜 邦雄
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 15 巻 4 号 p. 811-816

詳細
抄録

(CH3) 3NH+にカチオン置換したNAFION®-125膜を用いてエタノール水溶液の透過実験を行い, 透過流束への操作因子の影響について検討した.実験条件は, 1次側試料溶液中の水のモル分率=0.0-1.0, 1次側圧力=101-1082kPa, 2次側圧力=0.1-20kPa, 温度 =303-343Kであった.
透過成分間および膜と透過成分間の相互作用を表す透過流束の補正係数を用いて透過挙動を評価した.
実験結果は以下のように要約される.
透過流束は1次側組成に強く影響した.補正係数は組成に対して非線形に変化した. 2次側圧力の増大に伴い水の透過流束は著しく減少し, エタノールのそれは微増したため, 水の選択率は低下した.1次側圧力の影響は無視し得る程度であった.透過流束にアレニュースの関係が成立し, 見かけの活性化エネルギーを求めた.実験範囲の温度の変化に対し選択率はほぼ一定となった.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top