1976 年 96 巻 7 号 p. 832-840
O, S-Dialkyl dithiocarbonate(I)は熱分解によりChugaev反応をうけるが, それに塩化アルミニウム(AlCl3)を加え二硫化炭素中で反応させると収率よくS, S-dialkyl dithiocarbonate(II)へ転位することを報告した.また一般のチオール酸エステルをエタノールアミンの存在下蒸留すると容易にメルカプタンが留出するというメルカプタン合成法も発表した.そしてこの2つの反応を組合せるとアルコールからメルカプタンを合成する有用な方法になることを明らかにした(Chart1).