日本化學雜誌
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薩摩硫黄島でえられた火山ガスによる岩石変質物のフッ素および塩素含量
吉田 稔小沢 竹二郎小坂 丈予
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1969 年 90 巻 2 号 p. 159-162

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抄録

鹿児島県薩摩硫黄島の硫黄岳火口付近で採取した岩石変質物中に,新鮮な岩石とくらべてフッ素,塩素が濃縮されていることを見いだした。また.これらの試料のF/Cl比は火山ガスの値より大きい。これらの結果は前に報告した実験などの結果と一致する。フッ素含量の最高値はL4%,塩素含量の最高値は0.94%で,粉末試料を直接,噴気孔ガス中に入れた実験の場合よりはかなり低い。また.塩素が大部分不溶性であることも既報と違っている。変質がいちじるしく進むと,いったん固定されたハロゲンがふたたび溶出する可能性を示す試料もえられた。また岩石の変質にさいして生成したと思われる硫酸塩鉱物のうち,アルノーゲンにフッ素が相当多く含まれている。

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