日本化學雜誌
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金属オキシン塩とくに鉛オキシン塩の有機溶媒ポーラログラフィー
藤永 太一郎伊豆津 公佑野村 俊明小松 寿美雄
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1969 年 90 巻 11 号 p. 1143-1147

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抄録

金属オキシン塩をクロロホルムに抽出し,このクロロホルム相に支持電解質溶液と混和剤としてのエチレングリコールルモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)を加え,ポーラログラムを直接記録する金属イオン分析法の検討を行なった。金属矛ギシソ塩としてアルミニウム(III),銅(II),鉄(III),モリブデン(VI),鉛(II),ウラン(VI)などについて検討し,銅(II),鉄(III),鉛(II),ウラン(VI)などが定量に可能なポーラログラムを示すことがわかった。これらのうち,鉛(II)の有機溶媒ボーラログラフィーによる分析法を確立した。
鉛(II)を含む試料溶液に1×10-2mol/lオキシン溶液5mlを加え,アンモニア-塩化アンモニウム緩衝液でpHを調整後,クロロホルム10mlを用いて抽出する。分離後クロロホルム相の5mlに3mol/l塩酸5mlを加えメチルセロソルブで全容25mlにする。除酸素後-0.3~-0.6V(vs. SCE)の間で交流ポーラログラムを記録する。この方法によると数10μg~1.5mgの鉛(II)を再現性よく定量することができる。

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© The Chemical Society of Japan
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