日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
クロムアズロールSのポーラログラフィー
石田 良栄水間 昭子
著者情報
ジャーナル フリー

1969 年 90 巻 11 号 p. 1130-1133

詳細
抄録

クロムアズロールSのポーラログラフ的挙動を0.4mol/l塩化カリウム溶液中で検討した。クロムアズロールSは微酸性~ 弱アルカリ性のpH領域で,明瞭な2段の還元波を与える。第1波の半波電位はpH 35~4.5の範囲では-0.30V vs. SCEと一定であるが,pH 5.0以上ではpHの1の増加に対し,約75mVの割合で負側に移行する。第2波のそれはpH 5.0~10.5の範囲でpHの変化に関係なく,ほぼ一定の値(-1.02V vs. SCE)を示す。しかし,pH 5以下では波形が乱れ,また,pH 11以上では不明瞭な波となった。温度や水銀圧による波高の変化から,両波とも拡散電流の性質を有することがわかった。拡散電流定数は第1波では0.84,第2波では0.92となった。波形解析の結果,E~log i/(id-i)プロットは第1波では直線となり,反応電子数はほぼ1となった。しかし,第2波については直線関係がえられず,電極反応の可逆度が低いことがわかった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top